映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ハイファ・アル=マンスール監督 「少女は自転車にのって」2324本目

サウジアラビアは、女性の露出部分が世界で一番くらい少ない国だ。真っ黒な衣をかぶって顔は目だけを出す。だけどこの子はオテンバだ。ゴージャスな美人(モニカ・ベルッチみたい)の母親と雰囲気違いすぎ~~

この国では女の子が自転車に乗ることもできないのか。
日本では第二次大戦中の1943年に「お使いは自転車に乗って」っていう軽やかな歌が流行ったそうです。「洲崎パラダイス赤信号」とか、映画にもたくさん出ている、宝塚出身の轟夕起子の歌です。
日本の女性は、かなり昔から自転車には乗れるし、黒いベールなどかぶらなくていいけど、今もいろいろと不自由なことがある。
逆に、全身を覆っている女性たちが、家の中ではカラフルな服を着て家族とのびのびと暮らす場面もあるんだろう。男性と女性を区別する分、女性が女性を教えたり診察したりするための仕事も多いかもしれない。

同じ監督が「メアリーの総て」を監督したというのは面白いです。あの映画も美しくて少しゆがんだ、興味深い映画でした。
日本にも来て、日本の昔の女性の映画とか撮ってくれないかな。すごく見てみたい気がします。あ、もし「Pachinko」を映画化するならこの人かしら?

少女は自転車にのって [DVD]

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