映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ペドロ・アルモドバル監督「私が、生きる肌」2309本目

おもしろい映画を撮る監督が、ベテランになって今度は「普通の人々」と違う特別な設定をしたくなってこんな映画作っちゃったのかな?とも思ったけど、この映画は珍しく原作があるから、いつもとちょっと違うテイストというか方向性になったんだろうな。

アントニオ・バンデラスがすっかりおじさんになっていて、ぽわぽわっとしてた初期の作品と違って(日焼けして)頑固なマッド・サイエンティストとなっています。

手術着を、手を使わずに着て、手袋もほかのどこにも触れずに装着する・・・とか、そういう本題に関係のないところを撮影するという感覚がちょっと面白い。

ビセンテにしでかしたことがあまりに衝撃的なので、ものすごく悪い点をつけたり監督を批判したりしてる人も多いけど、この映画が撮れるのは監督が同性愛者ということもあって、性転換手術がまったくの想像の範囲外というわけではなかったんじゃないだろうか。ガエル・ガルシア・ベルナル君を美しく女装させた「バッド・エデュケーション」とか見てたので、いきなりこの映画を見た人よりはショックがなかったかも。この映画の場合、亡くなった妻とそっくりにするという設定なのでできないけど、ヤン・コルネットもいい顔してるので、彼をそのまま女装させてみたかった気もします・・・。

私が、生きる肌(字幕版)

私が、生きる肌(字幕版)