またアルモドバル監督の映画。そのうち全部見てしまうだろう。面白いんだ、この人の映画は。毎回何かびっくりするところがある。この映画もやっぱり面白かった。ちゃんと見てないとなんだかキツネにつままれたような感じになるけど(昏睡状態の息子の話は、ひとつも現実ではなかった)、そういうおかしなつながりで映画を始めて掴みで「え?」と思わせておいて、ストーリーそのものは実に人間臭い、誰にでもあるような話ってのが、なんかこう書いてるとまるで落語ですね。思い付きで書いててなんですが、落語みたいな洒脱で単純に笑えて楽しめるところがこの監督の映画にはいつもあります。なんか生理的に好き。終わり方もいつも暖かくて、人生捨てたもんじゃないという気持ちで寝られます。
「オール・アバウト・マイ・マザー」のマリサ・パレデスは美しくて強く、「アルモドバル組」の常連ロッシ・デ・パルマはやっぱり存在感あるし。スペイン的ユーモアって、「ここで笑って!」というようなポイントを作らずじわじわっと可笑しいのがほんと、いいですね。