映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

バリー・ジェンキンズ監督「ビール・ストリートの恋人たち」2292本目

若い二人のやさしい愛情。キキ・レインが可憐でかわいい。守りたくなる女の子。だけど彼女には勇気がある。強い母にきちんとまっすぐ育てられて、自分自身も強い母になっていく。ファニーは彼女の幼馴染だけど、ある日彼が「一番美しい人と気づいた」というくらいで、個性的な美しさをもってる。黒人監督にしか表現できない彼らの美しさってのがあるから、映画はいろんな人が作ったほうがいい。ハリウッド映画にたまに出てくる日本人(役)だって、本当の日本の人たちの半分も美しくないって思うもんね・・・。

真実はビール・ストリートが知っている。街に証言ができたら。というむなしいタイトル。あまりにもひどい目にあっていて、どんなに頑張ってもいまの状況に甘んじるしかない。ただ、彼らはあきらめたり希望を失ったりしたんじゃなくて、今はこうなんだ。という地点から始めて、今もまっすぐ生きてる。明日のために。

この心境になりたい。この心境を見習いたい、と思う。自分の置かれた環境に完璧に満足、ハッピー、って人も少なくて、誰しも小さなことにも不満をもったり文句言ったりしてるよね(私のことだ)。不満を持つのは当然だけど、不満や陰口に終始するんじゃなくて明日のためにコツコツと積み重ねていこう、と思いました。

ビール・ストリートの恋人たち [DVD]

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