映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アルフレッド・ヒッチコック監督「断崖」2284本目

ヒッチコック作品もあと数本を残すのみ。心してゆっくり楽しまなくちゃ。

原題は「Suspicion」、疑惑。でも「断崖」のほうがヒッチコックっぽいドラマが期待できて、見に行くなら「断崖」のほうだな。邦題の勝ち。

ジョーン・フォンテーンの困り顔を見ているだけで不安がつのり、ヒッチコック的な意地悪な結末を今か今かとワクワク待ってしまいましたが、この結末はなんというか、しっぽが短すぎる猫、という感じで、いちおうオチはついたんだけど、それ以外はどういうことだったの?という説明がなさすぎて寂しい。

<以下結末後の考察>

相棒にブランデーを飲ませたのは誰かというと、飲んではいけないと知らずにたまたま居合わせた英国人ってこと?自殺しそうになってる人に彼、見えた?他人に危害を加えようとしないにしても、彼って働かないしお金を持ち逃げするし、ダメなことは変わりないよね?彼女は彼を疑っては潔白がわかり、「ああ間違ってたわあなた」の繰り返し、という、かなりやばい二人になってしまいました。

面白いのは、こんなグダグダな男でもきちんとスーツを着て七三分けしてるところ。時代なんでしょうね。今は、だらしない人はこんなに身なりを整えなくてもいい時代だから。ここまで整えられる人が、ちゃんと仕事ができなかったり、金遣いがダメということが想像できない。

うーん、やっぱり最後にもうひとひねり欲しかったです。実はお手伝いさんが猟奇殺人者だとか、検視医が犯人だとか・・・。(それじゃ逆に、ありがち)