映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フレデリック・ワイズマン 監督「ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ」2273本目

ここまで「作り込み」を排したドキュメンタリーもなかなかない。いや、外国のテレビのドキュメンタリーは「ノーナレ(ナレーションなし)」っていう潮流もあるみたいで、やっぱり誰の恣意も入ってない本当のことを知りたいっていう流れは強くなってきてるんじゃないかと思います。

だからこの映画は、「ジャクソンハイツの不法移民なんか全員国外退去させればいいんだ」という立場の人が見ることも退けない。(実際はこの映画に興味を持って見る人は、ほとんどが彼らをサポートしたい人たちだと思うけど)

実際、反対運動をしたら再開発が白紙に戻ったっていう過去の案件ってあるんだろうか。私は、悲しいけど彼らはきっともう少し郊外に移っていくんだろうなと思って見てる。最初から諦めるのは良くないのかな。

ワイズマン監督の映画は、いつもこんな風に距離感を保つのかな。題材を並べて見ると、明らかに社会派だし弱者の味方なんだけど、彼は、自分がドキュメンタリーを撮り続けることで必ずしも状況が変わらないことをどう感じてるんだろうか。

これを遠い国の人ごととして捉えるだけじゃなくて、じゃあ自分の足元はどうなのか?と振り返って見るきっかけにはしないとな、と思います。 なんとも非力だけどね・・・。