映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

坂野義光 監督「ゴジラ対ヘドラ」2262本目

この映画は、私の映画原体験といってもいいかもしれない。怪獣大好きな幼児のころに親に連れられて映画館で見て、あまりの恐ろしさにトラウマになったという明確な記憶があります。

冒頭のヘドロの海が、九州の田舎者のチビには衝撃だったし、これは改めて見ると、公害反対の社会派映画だって、どう見ても幼児向け娯楽映画ではないですね。ゴジラ映画の枠組みを使ったパニック映画ともいえそう。さすがに今見て「怖い」とは思わないけど、リアルな公害映像、ヘドラの毒と大量破壊、連続して爆発する石油タンク、ヘドラの硫酸で溶かされて骨だけになった人たち・・・どんなゴジラ映画よりもネガティブ要素が多くて強烈です。

「汚れちまった海~」っていう歌や、挿入されるイラスト、ゴーゴーバーの光景、ウッドストック的ロックフェス・・・まさに70年代前後の流行。これのどこが東映まんがまつり、じゃなくて、東宝チャンピオンまつりなんだ!当時のこどもとして文句を言いたい!(笑)

後半の戦闘部分は、なんかすぐ飽きてしまってずっと見ていられませんでした・・・。戦闘場面ってのは、まじめにシナリオを書いちゃいけないんじゃないかな・・・。こっちをこう攻めて、あっちをああ攻めて、攻撃をくらって、またダメージを与えて最後倒す、とか考えて作ると見どころがなくなる。つじつまは大体合ってればいいから、面白みを追求してくれたら・・・って思うのは、大層な視覚効果に慣れすぎた観客の甘えでしょうか・・・。

最後、ゴジラまで「公害なんて!公害なんてこうしてやる!」みたいな活動家っぽい動きで、この時代にこの映画を作った人たちの怒りの強さが伝わってきます。

ああ、恐ろしい映画だった!

ゴジラ対ヘドラ

ゴジラ対ヘドラ