映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

新海誠監督「天気の子」2242本目

まあ今回もびっくりするくらい美しい映像でした。本当に繊細で、いまの日本の技術と感性の粋を集めたという感じです。そして、「君の名は。」につづいて、大人になった監督?によって、<以下ネタバレ?>主人公たちは愛を成就します。ちょっと前の少年少女ファンタジーであれば、彼らは自らを犠牲にして友人、家族、国、世界を救うけど、この映画では日本が水没することすら、愛する人を救うことにはかなわないという判断が下されます。

私は、今の時代にはこの判断を見せてくれることが正しい、と思います。戦争で死んだ人たちを偶像化したり、自分なんてどうなってもいいと思ってしまったりする人たちが、若い人のなかにたくさんいるような気がしていて、そうじゃない、みんなまず自分と愛する人のことを大切にして、と言いたいから。自分がよければほかの人はどうでもいいってわけじゃない。でも自分を大切にできない人には、ほかの誰を、何を、大事にすることもできないから。

いま何が一番必要とされているか、何が求められているか、ということを敏感に察知して提供するのが、名プロデューサーの直感です。川村元気あっての新海誠。巫女さんみたいな感受性と時代の先端のアンテナは似ているのです。

しかし、この映画を見てしまうと、頭のどこかに(そのうち日本は大雨で沈没するかも)という考えがこびりついてしまいますね。なんとなく、なるべく高台に住もう・・・とか。

筋とは関係ないけど、この映画は私の住んでる近辺が多く使われていて、見入ってしまいました。代々木の老朽ビルを中心とした広域図のなかに自分ちを探してみたけど見つけられなかったので、DVDが出たらレンタルして静止画で探そう・・・。