映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

中野量太 監督「長いお別れ」2234本目

山崎努、やっぱりうまいなぁ。蒼井優のモラトリアムな感じ、竹内結子の駐在妻、今もかわいらしい松原智恵子、いい人になりきれなかった中村倫也、とキャスティングが良いです。

認知症をわずらう期間は人によってかなり違うんだろう。私の父は入院してから3年しかもたなかったので、それほど長いお別れではなかったなぁ。

中野監督の「湯を沸かすほどの熱い愛」がすごく好きだったんだけど、この映画はもうちょっと平坦で、「それで?」と言いたくなる感じがある。最後にどうしても次女に「カフェだけはやめとか!」と言いたくなるし。

この映画は、お母さんが偉いんだよね。ちゃんと夫を愛して、そのことを娘たちもわかってるから、父親は尊敬すべき人だと思うようになる。お母さんはお父さんを愛してるけど、それは彼が立派で校長先生だからではなくて、衰えてもどうなってもちゃんと愛してる。あんなに立派だったお父さんが・・・と取り乱したりしない。

変わっても変わらないものがある。変わりつつある家族に対して割とスッとそう思える人にとっては、この映画は「それで?」ってなるんだと思う。あんな立派なお父さんが・・・に共感してしまった人たちに、自分の親たちがこうなる前に見てほしい作品なのかもしれないです。