映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ソフィア・コッポラ監督「マリー・アントワネット」2227本目

冒頭すごいなぁ。白いドレスのアントワネットが下女にペディキュアをされながら、ウェディング用みたいなピンク色の3段のケーキのクリームをつまみ食い。そこに「マリー・アントワネット」って言う題字が、まるでセックスピストルズのジャケットみたいにドカンと現れる。パンクだ。ソフィア・コッポラだ。

でもそれ以降は予想を上回ることはなかったなぁ。

バウワウワウの「I want a candy」、スージー&バンシーズの「香港ガーデン」をバックに仮面舞踏会、アダム&ジ・アンツで屋外のパーティ・・・とゴシックかアナ・スイの世界みたいなのが、 私と同世代の“幾つになっても女子”の趣きです。(イタイって言わないで、できれば・・・)

そしてキャスティングは大胆。キルスティン・ダンストソフィア・コッポラの常連だけど、母がマリアンヌ・フェイスフル!このキャスティングは、監督が彼女に会いたかっただけじゃないか・・・。夫が「天才マックス」ことジェイソン・シュワルツマン。フェルゼンは「フィフティ・シェイズ」のジェイミー・ドーナン(確かに美形、黒目がちな瞳)。トム・ハーディもいる。

しかしあくまでも監督の視線は孤独なマリー・アントワネットに注がれます。彼女vsそれ以外の世界。ソフィア・コッポラ監督の映画の女たちはみんな「自己中」だ。そんな彼女たちを監督は受け入れて、好きにさせてやります。私はこういう無駄な贅沢は嫌いなんだけどなぁ・・・。

マリー・アントワネット (通常版) [DVD]

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