映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

矢崎仁司監督「スティルライフオブメモリーズ」2219本目

うむ。ちょっとこの映画は”私が見たい映画”という期待に応えきれませんでした。

この監督の「不倫純愛」って映画を見て腹を立てた(笑)ことがあったくらいで、彼が繰り広げようとしているのは、私がイメージしている映画の世界とは全然違う。映画の世界には、登場する人たちがすぐ隣に住んでいそうな現実味があって、その人たちが止むに止まれずその言葉を口にしたり、誰かに何かを仕掛けたりする必然性が痛いほど伝わってきたりする。それがこの映画からは一つも伝わってこない。演技のよしあしにも無頓着すぎる。立ち会い出産の夫が手袋もヘアキャップも被ってないとか、勝手に湖に散骨、とかも。写真家の彼女がバレエを踊ったりするのも、”踊れるからやらせてみよう”でしかない感じがする。

ということを全部おいといて、テーマについて考えてみると、「ろくでなし子」さんがTEDトークとかで明るく強く語ってくれたりした方が面白いし伝わるんじゃないかな・・・。海外のドキュメンタリーで女性たちの性器をたくさん撮影したのを見て度肝を抜かれたことがあった。確かに語られることも見られることもない、もしかしたら「最後の秘境」なのかもしれないから、なんらかの形で日の目を浴びさせてもいいと思うけど、ならむしろそれを性の対象としないで描いた方が面白い。この監督はどうしても、暗い密室で背徳の甘美に溺れる方に持っていきたいのかな。

・・・さ、次はもっとスカッ!とする映画を見よう。

スティルライフオブメモリーズ