映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フランソワ・オゾン監督「婚約者の友人」2207本目

この映画のタイトルと、エルンスト・ルビッチの旧作のタイトルを見ると、それだけでネタバレになるという不幸・・・。

<ていうかこの後もネタバレ>

登場人物に感情移入をすればするほど痛く苦しい映画で、アンナと同行して映画を進めていくと(注:感情移入して、くらいの意味です)、いたたまれないし、辛いし、もうこの子死んじゃうんじゃないかしらと思ったりするけど、最後の最後に愛情のこもったハグとキス、これ1つでなんかもう色々チャラで、開き直れてルーブルで怖い絵を見ながら「生きようって思える」という。彼女の精神の健康さに救われます。旧作のほうもこれと同じ結末なのかな?

”戦争の悲惨さ”とか”愛し合う二人を引き裂く許嫁の存在”みたいなステレオタイプに観客がはまることを許さない、距離を置いた監督の視点がユニークで強い。なんというか、見ている私たちもこの現実肯定的な態度に救われる。映画と一緒に絶望して大泣きするのも一つのカタルシスだけど、私はこういう結末の引き取りかたの方がほっとする。

はー、この後はカラッと明るい映画を見ようっと!