映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

シドニー・ルメット監督「セルピコ」2205本目

1973年の作品。アル・パチーノってキムタクっぽい、いや、キムタクがアル・パチーノみたいな表情をよくするのか。この頃のアル・パチーノは美しい頰をした実に美しい青年で、榊原郁恵が「アル・パシーノ+アラン・ドロン<あなた」と歌ったのもこの頃だと思えば理解できます(笑)。スカーフェイスの頃ではありえない。

この映画はまさにキムタクが主役を張る日本のドラマか映画のような、正義の美青年(かなりヨゴレっぽいけど)vs悪い同僚たちという作品だなぁ。日本だったらもっと同僚たちが底意地が悪くて、主役を撃つのなんてあくどい同僚だったりすると思うし、結末は逆にスカッと同僚たちが彼を褒め称えたりすると思うんだけど、この映画の場合は

<以下、ここで言うのもどうかと思うけど、ネタバレ> セルピコは犯罪者に顔を撃たれて、命に別状はないけど左半身が不自由になって、スイスで引退生活。「金バッジ」と言う栄誉は得たけど、ワイロばっかりもらってる警官たちは、多分少しは反省したり懲罰を受けたりしても、まあ大部分は元気に勤め上げるのだと思います。そこが違う。そこが、なんとも、もやもやする。

スカッと勧善懲悪より、この映画の方がリアルだけど・・・。私はやっぱりこのアル・パチーノの、キムタクの目線が、好きになれないんだよなぁ。中身の詰まった男じゃなくて虚勢で固まった男の視線に思えて。好みの問題ですよね、きっと。

アル・パチーノはうんと歳をとって、哀愁を感じさせるようになってからの方が好きです。

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