映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョー・チャペル監督「ザ・ハッカー」2198本目

タイトルもジャケットもB級っぽいし、始まったとたん、女性がヌードで踊るバーで語り合うハッカーたちが出てくるし、あーあという感じもしたけど、面白かったですよ。

実在のネットワークセキュリティ専門家、シモムラ・トモを演じるラッセル・ウォンがコンピュータ・エンジニアにはありえないモデルのような垢抜けっぷりでカッコよくて、自己顕示欲と劣等感のカタマリのハッカー(悪い奴なので”クラッカー”)ケビン・ミトニックは、アメリカ映画の中の白人なのに安っぽい。

この映画の後にハッカーを描いた映画はいくつもあるけど、だんだんイケてないネルシャツ(または「Windows」とか書いたTシャル)にデニム、早口で空気読めないという実態に近い描き方が増えてきてると思います。この頃はまだ、アジア系のハッカーはガールズ・バーでブイブイ言わせてるイケメンかも、と思われてたのか。あるいは実態を知りつつ、あえてカッコよく描いてくれたのか。

まーどっちでもいいんだけど、軽く楽しむ分には面白い映画でしたよ。

この映画が作られたのは1999年、つまりWindows 95より後なので緑とか青のコマンド画面は古臭く見えただろうけど、1995年が舞台で構内システムのハッキングの話なので、当然のようにコマンド画面だったんだろうな(などと細かく切り込もうとする私自身オタクの仲間ですから、、、)

ザ・ハッカー [DVD]

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