映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジュリアン・シュナーベル 監督「バスキア」2194本目

現代アーティストって流行があるのかな。

バスキアの名前をしょっちゅう聞いてた時期があったけど、最近は聞かなくなった。クラシックな絵画を描く人なら亡くなると価値が上がるけど、ストリートアートだと今そこにいないとインパクトが薄くなるのか?

バスキアのアートは今見てもドキッとするし美しいしパワフルだ。悲劇性も破壊性も感じない。こんなアーティストがいたこんなニューヨークがあった、と言うことでいいんじゃないか、と思う。

ベニチオ・デル・トロが若いなぁと思ったら、その後もビッグ・ネームが次々と。ウィレム・デフォーゲイリー・オールドマンデニス・ホッパーウォーホールはデイヴィッド・ボウイだし。コートニー・ラヴがふわふわ歩いてるし。

「(ボウイ演じる)アンディが死んだ」とデニス・ホッパーが言う。そのデニス・ホッパーもボウイも死んだしバスキアも死んだ。まるで70年代のロックスターみたいだ。

でも全然古くないなぁ。アーティスト自身も、周囲の人たちも。今は例えばバンクシーのような、また別のタイプのストリート・アーティストがいて、それを取り巻く人たちも今の時代も、また別の輝きがある。この映画は、この時代の一つの美しさを綺麗な形で残していて、いつの時代にも若いアーティストに刺激や共感をもたらすんじゃないかなと思います。

バスキア(字幕版)

バスキア(字幕版)