映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョン・キャメロン・ミッチェル 監督「ショートバス」2190本目

この世界の人たちはどうしてこんなに、豊穣を愛するんだろう。大勢の人たちが笑いながら交わりあっている、着飾ってライトを浴びて歌い踊っている、というような。寂しさの裏返しなのかな?そんなに寂しいの?

裸になって、体じゅうの穴という穴をカメラの前に、全世界の人たちの前に、さらけ出す。気持ち良さも気持ち悪さも。さらけ出すのが終わったあと、もう何も残っていないように感じたりしないのかな。それとも、全部出し切ってもどんどんエネルギーや生きる力が湧き出してくるのかな。

この映画を見てる人たちのほとんどは、さらけ出すことに違和感とか恐れを持ってる。出し惜しみをしている。何回か生まれ変わったら、もう恐れるものがなくなって、穴という穴までさらけ出しても恥ずかしくない、大きな心の持ち主になれるのかな。

それともずっと別世界のままなのかな。

ショートバス [DVD]

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