映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョージ・ロイ・ヒル監督「華麗なるヒコーキ野郎」2163本目

大昔のサイレント映画かしら?と思ってたら、40数年前の作品でした(十分古いか)。主演のロバート・レッドフォード(ヒコーキ野郎)は紅顔の美青年だし、スーザン・サランドンはまだお嬢ちゃんという感じ。

ヒコーキ野郎たちは、こんな手作りの「鳥人間コンテスト」みたいな飛行機で、命がけの遊泳飛行をしてたんですね・・・。命がけというか命知らずというか・・・。こんな飛行機で並んで飛んで、翼の上を渡って行くなんて、ありえないよ〜〜。「ミッション・インポッシブル」だよ〜。生々しくローテクな分、ますます怖いです。飛んでるのが奇跡みたいな飛行機でこれだもん・・・。

などと動揺しつつ。

華麗に空を舞い、バタバタと落ちて行く彼らの表情の、なんと晴れやかなこと。一対一で、できる奴と対戦したい・・・という感覚は、こっちがオリジナルなので当然すぎるんだけど、対戦型ゲームに夢中な人たちと同じです。遊覧飛行だけでなく命がけの戦争を、彼らがいかに夢中になって楽しんでいたか。大概のものごとは、アドレナリンをたくさん出した方が強い。義務だ自己犠牲だといって飛んで行く人々より彼らの方が、少なくとも潜在的に強さを持っていたのは当然だったのかも・・・とも思う。人間には、戦って勝つ快感というものがDNAに刷り込まれている。子どもの頃から人と争うのが苦手で、すぐに譲ってしまう私でも、ゲームの中でなら勝ちたいと思うし、図らずも誰かのコマを叩きのめして快感を感じることもある。だいいち、この映画を見て痛快な気持ちになれるもんなぁ・・・。

本当に彼らは華麗で素敵でした。人間愛あふれる、ジョージ・ロイ・ヒル監督の世界ってほんと好きだな。