やっぱり面白い、マイケル・ムーアの映画は。
そして今回も、彼が書いたシナリオ通りにそれに合う映像やエピソードを集めてきて編集したんじゃないか、つまり、彼が決めた結論ありきなんじゃないかと思うくらい、強い説得力があって納得させてしまう。ドキュメンタリーの世界的な潮流は、こういうストーリー形式ではなくて、もっと淡々と時系列的にひたすら事実を両面(製作者が賛同する方としない方)から拾い上げてつなぎ、見る人に考えることを促すほうに向かっていると聞いているので、マイケル・ムーア方式はある意味古臭い。自力で情報を集めたり考えたりできない人たちをオーディエンスとして想定して、彼らを救うという強い正義感で作ってるってことだ。
いつも、ちょっと複雑な気持ちになるんだよなぁ。私はアメリカでは民主党を、オバマを、同性婚を支持したいほうの人間だし、銃規制を求める少年たちが地元の選挙戦を変えたというエピソードを見て、日本にできなくてアメリカにできることを羨んでしまう。それでもなお、世の中には絶対的な正義がないのと同様に、絶対的な「事実」もないと思ってる。
つまり・・・この映画には大いに賛同しつつ、常に疑い続けることが、ドキュメンタリーの精神だと思うのです。(ちょっと疲れるけど。。。)