映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

クリスティアン・ムンジウ 監督「4ヶ月、3週と2日」2135本目

映画の冒頭の、二人の女子学生の部屋がすごく印象的。

窓際においたテーブルの上に、箱型のsんプルな水槽があって、金魚が二匹泳いでる。水槽の奥の面には風景写真が貼り付けてあるので、ヨーロッパの街並みを金魚がひらひらと泳いでるような、不思議に美しい風景が、窓際のテーブルの上にちょこんと乗っかっている。

賑やかな絵柄のテーブルクロスの上には水槽のほかに、朝ごはんを食べたばかりの食器や、吸い殻だらけの灰皿などが乱雑に置かれて、壁際のヒーターには洗濯した下着のようなものが載っている。窓枠には小さい花瓶、カップやガラス瓶、ドライフラワーもぶら下がっている。窓の外には雪。

その後のショットで、部屋には他に鉄枠のシンプルなベッドが2つあるだけだとわかります。ほぼ、二人用の病室って感じ。

紛れもなく女子部屋なんだけど、テイストが珍しくて。これがちょっと昔のルーマニア、東欧の社会主義国なのか。イメージとしては東ドイツに近いのかな。チャウシェスク政権下の女子大生ということは、私とそれほど違わない年齢の人たちなんだな。日本だって当時は携帯なんて持ってなかった。

見終わっても、「まじでこれがパルムドール?」と思ったけど、「殯の森」がグランプリを取った時期のカンヌなので、珍しいものに目がなかったのかな・・・。

素朴に誠実に、面倒見のいい女子を追いかけた佳作だと思うけど、大きい感動も怒りも喜びも感じなかった。

大事な自分のIDをホテルのフロントに忘れたヤミ医師は、その後どうなったんだろう・・・。