映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ヨアキム・トリアー 監督「テルマ」2133 本目

<ネタバレだらけ注意>

新しい切り口。

異形のものを珍しがったり面白おかしく取り上げるようなことを映画ではもうしない、と決意した人たちがいる。この映画では、自分でコントロールできない強力な超能力をもった少女は、その能力を中心に描かれることはなくて、能力を持ってしまった人生が時系列的に語られるのでもなく、能力を発動してしまい、自分も気づいてしまって、なんらかの処置をされた「その後」が語られます。それが「新しい切り口」で既存のテーマを切り取る、ということで、そんな映画を2019年の私たちは見たがっているから、rotten tomatoesで「92%新鮮」って評価されるわけですね。

しかも、神を見出して人畜無害ないいヤツになってみんなハッピー、ではなく、可哀想な女の子として涙ながらに葬られるのでもなく、自分を抑圧するものたちを破壊して、自分らしく生きる幸せを求める彼女は、やっぱり今の(アナ雪以降の)時代のヒロインなのです。

安易なお涙ちょうだい映画を今も作り続けてる人は、こういう新しさをもっと取り入れてくれるといいのになぁ・・・。本当に本当に。

テルマ [DVD]

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