映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

瀬々敬久 監督「友罪」2126本目

この監督の作品には、「8年越しの花嫁」や「64」があり、「ヘヴンズ・ストーリー」やこの「友罪」がある。私は後者のほうが好きで、この映画は割と良かった。でもタイトルは「友罪」(友のためにおかす罪)じゃなくて「罪友」(罪を負ったものどうし)だよね?

設定が「怒り」に似てるけど、こっちは犯人であることは疑いではなくじきに確定し、そこからのことも重要になってくる。複雑な事実ではなく、複雑な人物像と、言葉にならない気持ちを描く映画だから、演技がとても重要なんだけど、瑛太生田斗真の演技がとても良いので、見応えがありました。瑛太が演じるのは、子どものままのような男。賢いんだけど無邪気で、人の物差しに興味がない。生田斗真は、心の重荷のために常に悶々としている。何かに打ち込むこともないし、重荷を誰かに話すこともない。佐藤浩市の抑えた、執念深さを感じさせる演技も。(頭が白いと日焼けが目立ってなんか凄みがあるなぁ)夏帆はもはや可愛いだけの子を演じることが少なくなったけど、幅が広がってて面白いなぁ。

生田斗真の「重荷」。昔なくした友達の母親に、自分が彼に言ったことを告白しようとする場面で、「私もう死ぬのよ。聞きたくないわ」と言われる。これが当然なわけで、こういう映画では自己憐憫を切り捨てないと独りよがりになってしまう。ただ、「自己憐憫をばっさりやりました」と、これほどはっきり示すのも「わかってる俺ってすごいだろ」感がちょっとあるかな・・・。

友罪 [DVD]

友罪 [DVD]