映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

濱口竜介 監督「寝ても覚めても」2123本目

演技経験のほとんどない人たちを使って撮った実験的な「ハッピーアワー」の監督じゃないですか。今回はきっちり作った映画ですね。

東出昌大はいまや定番の若手俳優だけど、相手方の唐田えりかの初々しいこと。こういう、地味めで清楚な子って韓国映画ではよくいるけど日本では割と珍しいと思います。こんな弱そうな少女みたいな子ととつぜん恋に落ちるのってなんかロマンチック。どう可愛いかというと、旅行に行って7日間も留守にした後のうちの猫みたい。(ペットシッターさんは来るとはいえずっとひとりだからね)多分霊感とかあって不思議ちゃんで、純粋な赤ん坊みたいな女の子。

麦(ばく)という、スターになった男との再会はリアリティがまるでないんだけど、現実として描かれてたの?正直すぎる女性がマリッジブルー、前に好きだった人といま好きな人とを変に比べてしまったというお話?彼女は不思議ちゃんだけど、同じ迷いを結婚前に持つのは男女どちらでもあると思う。前の彼氏彼女が、婚約者と似てても似ててなくても同じ。(でしょう?)そういう意味で、この作品のほうが新鮮味は少なかったかもしれません。主役の女の子の、ふわふわしているようで頑固でもある不思議なキャラクターのせいかな。

ところで、舞台女優の舞台を「中途半端だ」と批判する場面。批判しておきながら、「自分が諦めたことをやっているのが羨ましかったんだと思う」と告白する。…こういうのって監督の言葉なんじゃないのかな。映画の本筋とは関係ないからそう思う。

 

寝ても覚めても

寝ても覚めても