映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

大林宣彦監督「花筐/HANAGATAMI」2119本目

戦前の画家のキッチュなコラージュ作品みたい。昭和の大監督の耽美的な作品群も思い起こさせる。だいいちDVDジャケットがなんて美しいんでしょう。役者さんたちの動きも言葉もすべて様式的で、何もリアルじゃない、お人形みたいな美しさ。

どうして、大監督がうんと高齢になると、こんな風にセリフを棒読みさせるんだろう?新藤兼人は80歳のときはまだ「濹東綺譚」なんて艶っぽい映画を作ってたけど、彼はその後100歳まで映画を作り続けて、最後の作品「一枚のハガキ」は感情を込めたら怒られるみたいにみんな棒読みだった。大げさなお芝居が好きじゃなくなるってことなのかしら。

この映画は、どこか残酷な気配が最初から漂うなか、美しき少年少女たちがそれぞれの美をもって交わり、リアリティを持たないまま美しく散っていきます。

監督の他の作品、もっと日常的な場面を描いたものと、全然違う印象だったけど、少年少女の純粋さが失われて行くことの痛み、みたいな通奏テーマがあるのかな。

公開後なかなかソフト化されず、再映もほとんどなかったけど、やっとDVDで見られてよかったです。

花筐 HANAGATAMI

花筐 HANAGATAMI