雑誌に連載してた昔、友達が絶賛してた。週刊誌はほとんど一色刷りだけど、この映画は全体的に黄・赤が強くて(空まで青じゃなくて黄色の強いグリーン)、複雑(描き込みが細かい)なので、立体曼荼羅をぐるりと見ているようで、紙と印象が違います。
近未来が舞台のアニメや映画のほぼすべてと同じように、この映画にも香港の場末みたいでブレードランナーみたいな世界があります。
声は、シロが蒼井優でクロが二宮和也。これがぴったりなんですよ。天真爛漫な不思議ちゃん、闇を秘めた義賊、のようなそれぞれの性格に。
音がきれいだな。15年前に20代でマンガを毎週読んでた世代の音楽。私は原作を25年前に読んでいた世代なのでちょっと違うけど。まだあの頃のロックはビートが単純でエレクトロニックというよりエレキだったから。
松本大洋の絵は、人間も建物みたいに描く。こういうかたちをしていて、こういう気持ちがあるからここがこう引っ張られる、というような。
個性のかたまりのようなこういう映画の作り方も、いいんじゃないでしょうか。ただやっぱり、黄色と赤が強すぎると思います。