映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

佐々部清 監督「チルソクの夏」2099本目

こういう映画には弱いんだ。リアルに日焼けした、手足の細い女の子たちが、しなやかに、初々しく、走ったりおしゃべりしたりするのを、遠目のカメラで追う。自然にきれいなんだから、普通のままでいい。元気でほっぺがパンパンの上野樹里も可愛いけど、主役の水谷妃里って子が素敵なんですよね。 仏頂面(のちにクール・ビューティと言われるに違いない)でエンピツみたいな細長い手足をしていて、走るのが早い。ぱっと見カッコいい女の子なんだけど、笑うと小動物みたいで急に可愛らしくなる。

外国の男の子が一目惚れしてしまいそうなこの少女と、純粋な目をした男の子が、どんな子どもっぽいつまらない話をしていようと、もうどうでもいいんですよ。自分たちがこのくらいの年齢のときに、はたから見てどんなに気の利かない、色気のない子どもだったか、それが大人になるとどれほど大事か、胸の奥がツーンとなります。

それと対照的なのが、大人になった彼女たちの大人らしい気の使い方。わかりやすい白黒の映像で描かれている、きらめきのない日常。でも最後にちょっとだけきらめきを思い出させてくれるところが、大人になった私たちには嬉しかったです。

チルソクの夏 [DVD]

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