映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

リサ・チョロデンコ監督「キッズ・オールライト」2095本目

<ネタバレあり>

レズビアンカップルの二人の子どもたち。買ってきた「父親」は同じだけど顔を見たこともない。多感な年頃の子どもたちが彼に会おうと思い立ち、会ってみたらナイスだったんだけど、まさかの母のひとりと彼が・・・

実際、母たちも素敵だし生物学上の父親はナイスなマーク・ラファロだし、息子と娘も爽やかで可愛い。ただ、母たちのうち短髪のニックは男性的で仕切りたがり、ジュールズ(ジュリアン・ムーア)はスイートでふんわりとして女性的。ジュールズが他の”男”に惹かれるのは、ニックの男のプライドを最高に逆撫でしてしまうのに違いありません。

(同性愛者には、女性らしい女性どうしもいるし、二人とも男っぽく見える人たちもいるけど、この映画の場合、ニックは男性的という設定だと思われます)

恋愛ってずいぶん自由だなぁ。やりたければ誰とでもやればいいのか。レズビアンというだけでも複雑なのに、母が自分の父と浮気というとんでもない状況。常に優秀でいい子で、「大丈夫よ、ママ」「心配ないよ」と母たちを慰め、励まし続けるのがこの二人。やっぱりこの映画の中心というか締めにはこの子たちがいる。キッズはオールライトなのだ、ママズは自由すぎて傷つきやすいけど。

大物を育てるには、子どもの頃から世界中のいろんな人たちと接するといいといいます。この子たちは家の中がすでにダイバーシティなので、早く大人にならざるを得ないし、優秀に育っています。でもこういういい子たちってどこかで爆発しないかしら。見てる人の感じる、そこはかとない不安は、そういうところにあるんじゃないかなぁ。

ママ達も女好きなパパも愛すべき人たちだけど、お前たちも自由に育っていいんだぞ。岡本一平とかの子を見て育った岡本太郎みたいに・・・。

キッズ・オールライト (字幕版)