映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フリドリック・トール・フリドリクソン 監督「春にして君を想う」2066本目

永瀬正敏が出てる「コールド・フィーバー」って映画を見て、もう1本見てみようと思ってレンタルしました。こっちの方が4年後の作品。静かでロマンチックなロードムービー。起承転結も特徴もないけど、なんとなく共感を覚える。北欧的なゆっくりした時間の流れのせいかな。

ひとりの老人(コールド・フィーバーで永瀬を案内した役の俳優だ)がある日農業に疲れて、娘夫婦の家へ向かう。(このとき愛犬を殺す場面があった気がするんだけど、気のせい?)孫娘の当たりがきつく、すぐに老人施設へ送られるんだけど、この辺は「東京物語」を思い出せばいいのかな。この老人と、施設で再会する幼馴染の女性が、地に足がついていてリアリティがあって、良いのです。不機嫌だったり面倒くさそうだったりする、生きた人間がそこにいる感じで。

キレイな女性の幽霊もいるけど、ブルーノ・ガンツの天使もいる。でもそういうのは置いといて、老人二人のみちゆきに同行しましょう。

彼らが歩く霧深い道が、土星の輪みたいできれい。たどり着いた家の暖炉の炎に、赤らむ彼女の頰。

こんな風に死ねたら最高だな〜、という映画なのかも。長年のいろんな蓄積で顔のシワは深く、ほぐすことは叶わないけど、二人は胸の中で久しぶりに灯った小さな火を共有してる。

アイスランドだから、海岸で寝たりしたら凍死するよ・・・。その場所へ苦労してたどり着いて、自然に埋もれることが理想なのかもな・・。

春にして君を想う [DVD]

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