2008年の作品、今から11年前。って微妙。
明智小五郎を仲村トオル、その婚約者を松たか子、二十面相の身代わりをさせられる曲芸師に金城武。盗まれる絵がブリューゲルの「バベルの塔」ってところは今っぽい気もするけど、単純すぎる勧善懲悪とか、金持ち=悪、政府=バカ、っていう設定とかが、私の苦手な「半沢直樹」的世界を醸し出していて、テレビ局主導の映画はやっぱりそうかと思う。終盤に向かって、セットやアクション、CGに手間とお金がかかってきて、大どんでん返しが仕込んであったりするのは、エンタメの王道を目指していていいと思うんだけど、どうしてテレビ局ものの映画ってこう脚本が薄っぺらいんだろうな。人間ってそんな簡単に変わらないよ、とか、本物のお嬢様がそんなこと言うかよ、とか「現実と違う日本の大衆の夢」みたいなものに合わせておもねるようなものを作るのって、志が低すぎないか。いつになくきつい言い方してますが。
旬なうちに見れば楽しめるのかもしれないけど、もう少し、長く見られて愛されるような映画を作って欲しいです。