映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョン・キャロル・リンチ 監督「ラッキー」2050本目

ハリー・ディーン・スタントン。演じるラッキーはちょっと偏屈でマイペースで、毎日訪れる近所の店々の人たちに愛されてる。だけど90歳までそれを続けていると、明日が不安になってくる。何もない未来への不安。

愛されるおじいちゃんの日常、で終わる映画じゃなくて、視点はあくまでも本人。好きなクイズ番組を見ながら回答者にツッコミを入れたり、バーで他の客に軽くからんだりする彼の中には、いたたまれない死への恐れがある。結論とかオチとかがある映画じゃないけど、雑貨屋の店主の息子のパーティで上手にメキシコの歌を歌ってみせて拍手喝采を受ける自分に気づき、第二次大戦を戦った仲間と出会ってその頃の自分の強さを思い出す。

この映画はもうハリー・ディーン・スタントン勝ちですよね。彼の存在だけでいい。余計な色付けなんかしないほうがいい。最低限に抑えてるから、いい感じになってるんだと思います。

ツイン・ピークス」の甲高い大声じゃないけど、やっぱりなんかウザくて変な亀男を演じてるデイヴィッド・リンチもいいんじゃないでしょうか。ルーズベルト大統領(亀)、冒頭と逆の方向に歩いてたところを見ると、数日後には彼の元に戻ってきたのかもしれませんね。

この映画で学んだこと:tortoise(リクガメ)とturtle(水辺で暮らす普通のカメ)の違いと、marine(海兵隊)とnavy(海軍)の違い。

ラッキー(字幕版)

ラッキー(字幕版)