映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

リチャード・フライシャー 監督「ミクロの決死圏」1896本目

さっき見た「大魔神」と同じ1966年の作品。なんかこういう対比って楽しい。

あれ、原題は「Fantastic Voyage」素敵な旅、か。体内への旅と考えると素敵なのは確かだけど、このタイトルでは医療SF感がゼロです。邦題のほうがいいな。

冒頭でTWAとロゴの入った飛行機が着陸します。調べてみたらトランスワールド航空というのがアメリカにあって、その後アメリカン航空に吸収されたのね。東京には就航しなかったから知らなかったのか。パンナムはもとより、ノースウェストもないし、栄枯盛衰だよなぁ・・・。

でこの映画、以前にも見た記憶があるけど、こんな冷戦スパイものの設定だったんですね。
大真面目に科学的な説明をしてる・・・放射線とか。ドラえもんウルトラマンの科学的分析を経た私たちにはもはや、トンデモ科学にしか見えないはずなのに、だんだん彼らの世界に引きずり込まれてしまって、一緒に海流や気流や血小板と戦ってしまいます。これ、こども用科学番組が作れるな。
ただでも危険なミッションが、スパイ活動が関係してくるとスリル倍増だし、「裏切り」行動に及ぶ信憑性が出てきます。もう、一人足りないのに誰も注目しないことなんて追及しません。とてもスリリングな科学ファンタジーSF学習ドラマ?でした。