映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

上田慎一郎 監督「カメラを止めるな!」1874本目

話題のこの映画、やっと見てきました!
日本一?の歓楽街、新宿は歌舞伎町のTOHOシネマズの2番目くらいに大きいスクリーン、満席の観客。
予告編は、私が見ないタイプの、若い役者さんがたくさん出る作品ばかり。
インディペンデント映画だけど、情報番組で取り上げられたおかげで、マニアだけでなく、あらゆる層の観客がわらわらと集っている感じで楽しいです。

感想。チープで面白かった。この世界、好きです。
キーワードが2つ。1、拾いきれなかった伏線 2、OK GO。 

<以下、ネタはバラさないけどヒントになりすぎる感想注意>
1については、これが後半生きてくるんだな。伏線が疑われないよう、わざとチープすぎる映像に作ってあったんだろうな・・・。逆に、この映画を見た後で「ツインピークス リターン」を見てたら、回収されない伏線がありすぎて、撮り直した方がいいくらいの失敗作に思えてしまいそうだ・・・
2については、映画を見終わったあと、そういえばタイミングを練りに練ったPVを作るバンドがいたな、とOK GOのことを思い出しました。この映画が彼らのビデオほど完成度が完璧だったとしたら、外国の映画祭でも一位とかになっただろうけど、このチープさが味になってるし、当初の予算ではそもそも成立しなかっただろうし、なんか違うものになってしまっていたと思う。

なんかね、限られた枠の中で、本当に面白いものを作ろう!という、全員の熱がちゃんと伝わってきたよ。
ものづくりは、こうでなくちゃ。

監督これでお金もできたし、メジャーから声もかかるだろうし、前より大きい枠を与えられて次はどういうものを見せてくれるだろう?きっと、この映画をただ大きくしただけじゃなくて、もっと面白いことを考えてくれそうで楽しみです。

役者さんたちもいいですね。監督役も、監督の妻も、監督の娘もいいけど、「よろしくでーす」ポンポン、って腕を叩くチャラいアイドルが根性の座った芝居を最後まで見せるあたりもいい。
白目むいた酔っ払いのおじさんは最高すぎ。彼のおかげでこの映画は1.2倍は面白くなってるよ。
「ハッピーアワー」とか「恋の渦」とか、演技経験が少ない人たちの映画が最近面白い。どんどんこうやって日本の映画を面白くして欲しいです。

とりあえず、旬のうちにぜひ劇場で!