映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

工藤栄一監督「十三人の刺客」1858本目

1963年の作品。
2010年版を見て「こりゃ苦手だ」と思った経緯があったのですが、古いものなら好みかも?と思って借りてみました。

登場人物のみなさんが大変魅力的ですね。
土井老中は若き日の丹波哲郎。極悪で愚かな殿様を演じた菅貫太郎って誰だろう?と思ったら、「田園に死す」で現在の「私」を演じてたらしい。(あまり覚えてない、、)十三人の刺客片岡千恵蔵だの嵐寛寿郎だの里見浩太朗だの(可愛くてアイドル俳優って感じ)、キリッと締まっていて本当に素晴らしい俳優さんたちです。

ただ、この映画にあまり入って行けないのはやっぱり、侍の秩序ってのに共感できないからなんだと思う。
十三人全員がたおれることなく仇討ちが成功したところで、その後みんな自害せざるを得ないんだろうし。変なことをいうと、完全な避妊方法が存在しなかった時代には人の命が”いくらでも生まれるもの”と感じられてたんだろうか。とか思ってしまう。
でも、歌舞伎っていう閉じた世界の役者たちが女も男も演じる歌舞伎よりは、この映画のほうが、侍たちのリアルな忠義心とかが伝わってきて、美しいとは思う。美しいと感じる気持ちだけが先走って、侍礼賛とか散る美学とかの方には行きたくないもんだけどな・・・。

十三人の刺客

十三人の刺客