映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョージ・スティーヴンス 監督「シェーン」1853本目

1953年の作品。
西部劇といっても、少年と通りすがりのイケてるガンマンとの”友情”がテーマだし、カラーで絵がきれいなので、「大草原の小さな家」を思い出します。(20年後のテレビシリーズですが)
やたらと、シェーンとお父さん、シェーンと少年が、顔を見合わせて微笑むという場面が出てくる。何だこの、あまり見たことがないほどのハッピーファミリー感は?これは、ラストシーン(知らない人いないと思うので、ネタバレだけどそのまま書きます)でシェーンカムバック!と少年が本気で叫ぶための道のりのひとつなんでしょうね。

風景は、大草原の端に雪を被った山脈が見えて、これはアリゾナ州ユタ州(サボテンだらけ。だいぶ気温が高い)じゃないなということがわかります。ワイオミングなんですってね。
おきまりの悪い権力者と、強いガンマンがいて、やがて決闘に至るのは西部劇の王道ですが、保安官は「遠くにいるからあてにならない」と流されて登場しないまま終わります。シェーンの正体も明かされないまま。(わかったところで、定住に憧れた通りすがりのガンマン、だけで十分な気もする)

シェーンが立ち上がるのは最後の最後だけ。それまではずっと、優しい通りすがりの小作人として微笑み続けて、最終決闘では当然、あっさりと、きれいに勝ちます。この映画の中心は情緒なんだな、やっぱり。途中激しいケンカの場面もあるけど、予定調和的。「道」のジェルソミーナが確実にかわいそうなのと同じように、美しく勝って美しく消えるシェーンは確実にカッコ良く感動的。男が考える感動の世界の典型だなぁ。

という訳で、思いのほか、さわやかな気持ちの残る映画でした。西部劇は苦手だと思って避けることが多かったけど、この映画は食わず嫌いだったなーとちょっと反省です。