映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

水崎淳平監督「ニンジャ バットマン」1849本目

これは何だったんだろう?
中年女性(私)が一人でガラガラな夜の映画館に見に行くような映画だったのか?
私といろんな趣味の合う人(その人もいい年齢の女性w)から勧められて、あえて前知識なしで挑戦してきたのですが。
・・・答えはYesだな。こういう過剰でサービス精神ありすぎで、てんこ盛りでうるさくて疲れる映画は、基本的に、好きだ。
監督はあれか、「ポプテピピック」か・・・。
そして脚本は「髑髏城」etc、劇団☆新感染の中島かずき
ニンジャや日本の街並みの造形が、日本のアニメみたいなテイストだなと思ったら、オール日本スタッフで作られた映画なのね。最先端の日本のクリエイターたちが逆輸入した「日本」。
キャラクター紹介のときのキメの場面で静止して墨字の日英表記で名前を紹介するのは、カブキの見栄の感覚。
訳も分からず、みんな城を建てていて(どこで材料調達するんだよ!)、それが全部動き出して合体するのは、ロボアニメ育ちの感覚。
今敏の作品が好きで、この映画には彼のような過剰さや愉快さが見られるんだけど、今敏作品にある青くささや、スコーンとくるカタルシスはない。代わりに、新感染のお芝居のゴテゴテとしたゴージャスさ、確実に盛り上げるプロ根性、ポプテピピックみたいな訳のわからなさの累積があって、なかなか興味深いです。

Marvelの映画とかあまり見たい私でも、バットマンの基本キャラたちは説明がなくてもわかる。これが有り難かったです。

この新旧ジャパニーズテイスト満載の無理無理なバットマンを、海外特にアメリカの人たちはどう受け止めたのか?初動は「Rotten Tomatoで観客100%」という記事があるけど、今見たら45%だった。熱狂的に待ち構えてた人には高く評価され、そうでもない人は0、というのならいいことだ。少なくとも、私が見た印象では、「可もなく不可もない」と言われるようなおとなしい映画ではなかった。これを中学生くらいで見たアメリカやフランスやタイや南アフリカの人たちが、ずっと覚えていて、大人になってからすごいアーティストになったりしたらいいな、と思います。

印象に残った絵:セシリアの目がすごく綺麗。空に版画みたいな波波のもようがある表現が素敵。もしかしたらこの映画、劇場で1回限りで見るより、買って家で10回も100回も見て細部まで楽しむのがいいかも。