映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

メル・ブルックス 監督「プロデューサーズ」1829本目

1968年の作品。
「ブレージング・サドル」が面白すぎて、続けてレンタル。

「史上最悪の監督」の秘書のキャラが新しすぎる。髭面でキレイ目で日焼けしてて、あごひげが「ミッツ・カールくん」みたいだ(※Eテレの今やってるキャラクター)。そしてヒットラー役のサイケでブルースな超勘違い男・・・。そして「ヒットラーの春」というチャーミングなミュージカルができてしまった。戦後わりとすぐにこんな映画作っちゃうなんて、ユダヤ人(監督はヨーロッパから移住してきたユダヤ人の子)ってすごすぎる。その頃日本では「原爆の子」とか「ひろしま」とか作ってたんじゃないか・・・。

このジョークのキツさ、やっぱりモンティ・パイソンサタデー・ナイト・ライブの中間くらいな印象だなぁ。日本にはこういうキツいジョークの伝統より、うまく言い換えたり誰も傷つかないように丸めたギャグの方が連綿と続いてきてるんじゃないかという気がします。

エンディングを見て、ブルーズ・ブラザーズはこの映画へのオマージュだったんでしょうか、と思いました。そんな短絡じゃないか?

で、ここまで来たところで、2005年のリメイク版を見たことに気付いた!でもほとんど覚えてない!こっちの方が単純に面白いです。古い分、時代のインパクトが強いし。こういう笑いをバンバン追求できる、アメリカはやはり自由の国なんだなと、こう言う部分だけは本当にうらやましく思います。