映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ルイス・ブニュエル監督「忘れられた人々」1821本目

メキシコ映画は「その他の国」の分類になってしまうんだよな。)
「アンダルシアの犬」でルイス・ブニュエルのイメージを持ってしまうと、この映画などは社会派の作品に見えてギャップを感じてしまいそう。かなりきっちりとストーリーを追って作られたドラマで、生活が困窮し、教育も受けられず、愛情にも飢えた子どもたちの荒んだ日々を描いています。

目が痛くなるような強いコントラストの白黒映像も、健在。
この映像と、”カトリックの厳しさと残酷さ”が連想されるようになってきたのは、ブニュエル監督の仕業だと思います。

最初からカタルシスなど期待しないで見ていれば、辛い気持ちにもならないんだけど、こういうのって今でもあるんだろうな。メキシコシティーに限らず、世界中の都会の隅っこに。
哀れなペドロは、これでもなんとか生き延びて大人になって、自分でいろんなことを決められるようになれば、幸運を掴むこともできたんだろうか。それとも、痛めつけられるうちにさらに荒んで、最後は本当の悪党になってしまったのか。どんな楽観視もゆるさないのが、監督の反骨精神なんだろうな、と思います。