映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョーダン・ピール 監督「ゲット・アウト」1797本目

えっこれホラー映画なの!ファンキーでいけてるミュージカルか何かだと思ってた。
しかし、「ファーゴ」がコメディならこの映画だってコメディかもしれない。
なかなかスリリングな構成で、ありえないなりに痛快でもあります。
この監督、あるいはアメリカの黒人たちは今も、この映画を必要としてるのかな。
スリー・ビルボードにしろこの映画にしろ、アメリカの差別というものを色々な角度から捉えた映画が増えてる。なんとも言えない空気の映画だ。

白人家庭の管理人と召使が黒人で、その家に娘が黒人の恋人を連れて帰ったらすごーく妙な空気が漂い始める。当たり前でしょ。この家に生まれた娘が「うちの家族は完全にリベラルよ」って思ってるとしたら相当鈍感です。
わざとらしく「オバマはいい大統領だ。3期目も出馬したら投票したよ」と娘の恋人に言う父。

パーティに来ていたもう一人の黒人青年。彼をペットのように他の客に見せびらかす中年女性。バナナを腰みののようにして半裸で踊ったスター、ジョセフィン・ベイカーを思い出した。

<以下ほぼネタバレ>
失われつつあるものを再生させるための”容器”が、特定の人種である必要はないよねー。
彼らが嫌いなら、そばに置きたくないだろうし、なるべく以前の姿に近いものを選びそうなものです。
この辺の飛躍が短絡にも思えるし、面白くもあります。
面白いけど、アカデミー賞はないかな〜。