映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

イングマール・ベルイマン 監督「狼の時刻」1793本目

1968年って随分昔、50年前の映画ですね。
ベルイマン監督の映画にはいろんな特徴があるけど、この映画はかなりとんがってるなと思います。
見てるだけで耳がキーンとなりそうなコントラストの強い映像や、大昔のフランケンシュタインとかドラキュラの映画みたいな(顔の下からロウソクで照らす、的な)怖い顔、とか、マックス・フォン・シドーのメイクが落ちかけてるとか。なんか面白いのです、画面を見てるだけで。たくさん、たくさん、いろんなものが仕込んである。
多分全部「幻想」。だから何でもアリです。逆にストーリーは「流れ」程度しかなく、教訓もない。悪夢ってこんな感じかな、と思って見ればいいんじゃないかと思います。

スヴェン・ニクヴィストってすごい映像を撮る人ですね。(やっと名前を覚えた私なんかに言われたくないだろうけど)例えば、名画みたいな完璧な構図で捉えた部屋の中で、女性が左側から入ってきて右へと移動する。その中でどの瞬間を取っても、まだちゃんと名画みたいな完璧なバランスなんですよ。音楽家絶対音感みたいに、黄金律を頭の中に持って生まれてるとしか思えない。だから、彼が撮影した映画は、ソフトを所有したい気持ちになるし、何度も何度も繰り返し見て、何度も「は〜っ」とため息をつきたくなります。

あと、この映画って市川崑の映画みたい、とも思いました。映像も音楽のつけ方も。あっちが先か??

という感じで、本当に映画好きには見所が多い作品なんじゃないかと思います。