映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フランソワ・トリュフォー 監督「柔らかい肌」1791本目

1964年のフランス映画。
フランソワーズ・ドルレアックが美しすぎる・・・。
まだうら若いお嬢ちゃんなのに、完成されすぎていて「可愛い」って言えない。

飛行機の着陸が近づいてきて、当時でいう”スチュワーデス”の彼女が、機内用のフラットな靴からハイヒールに履き替える官能的な足元。閉じたカーテンの隙間からかいま見えるその細い足首が、目に焼きつく場面です。ちょっとフェティッシュで、これは中年男なら誰でも惚れるね!

彼女は妖精のようにアイドルのように、はかなげでロマンチックな存在。男は彼女のような女性となら、地味な結婚生活も華やぐんじゃないかと期待するんだけど、彼女はハナから地味な結婚生活に興味がない。スリリングな不倫にキラキラを感じてただけ。距離が出てくるのは当然のことで、なし崩し的に結婚して、ケンカばかりするつまらない夫婦になるような映画じゃなくて良かったです。

それにしてもハラハラ、ドキドキする映画です。フランスの映画なんて十中八九が不倫映画なのに、この映画にはやけに背徳の痛みが強く感じられて、痛い。さっさとカミングアウトしてしまえば良かったのに。古今東西、隠し事はろくなことになりません。

後味もよくないけど、妻の会心の微笑みは印象的。「セーラー服と機関銃」の薬師丸ひろ子の「カ・イ・カ・ン」はこれと同一の感覚ですね。