映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ウェス・アンダーソン監督「ムーンライズ・キングダム」1771本目

タイトルが最高に素敵。
この映画、アンダーソン監督作品の中でも特に好きかも。

最初からこの、おもちゃの国に人形を並べたような感じ。ウェス・アンダーソン節って、なんというか、三谷幸喜+ミシェル・ゴンドレーみたいだな。ひょうひょうとして無表情(まるで北欧映画のように)に可笑しいことを言う、なんだかキッチュで可愛くてちょっとオシャレ。(※後半がないから、三谷幸喜にゴンドレーをプラスする必要がある)

キャスティングが豪華でズルい。
フランシス・マクドーマンドビル・マーレイが夫婦?ボーイスカウトの隊長がエドワード・ノートンで保安官がブルース・ウィリスティルダ・スウィントンが福祉局?
ハスキーな司令局員はハーヴェイ・カイテル
ビル・マーレイエドワード・ノートンにスリッパを投げつけて、彼が身を屈める・・・なんて、可笑しいに決まってるじゃないですか。
こういう、既存のそれぞれの役者さんのもつ”先入観”を最大限に利用したキャスティング、まんまと笑わされてしまいます。

いい感じにファンタジック、かつ現実的。賢くてガンコでちょっと変わったこの子たちに、幸せに暮らして欲しいなぁ〜と心底思ってしまう映画でした。

ムーンライズ・キングダム [DVD]

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