映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アルフレッド・ヒッチコック監督「汚名」1757本目

1946年に作られたアメリカ映画。なんとなくクラシックな感じのする映画だけど、ヒッチコックの監督生活の中ではハリウッドで脂がのってきた時期に作られた作品です。
バーグマン美しい・・・。アメリカで人気の北欧美人のハシリ?かな。この映画では、最初男性の声かしらと思ったくらい、低いくぐもった声で喋っています。”酔っ払い”という役柄だからかなぁ。

ケーリー・グラント(奇しくも、昨日見た「新婚道中記」にも出てた)は、ジョージ・クルーニーが極悪人の役をやる確率が極めて低いのと同じく、きっとこの人は最後までいい人に違いない、と思いながら見る。ヒッチコックはそこで観客を裏切る監督じゃない。

「Notorious」は悪名高い、と訳すイメージ。「汚名」は特に誰も着せられてなかった気がする。
悪女と思われたアリシアの純愛がこの映画の柱なのかな。ヒッチコック映画には女神のような美女がたくさん出て来るけど、特にこの映画のバーグマンは映画の中心になっています。目力が強いわけでも、濃いわけでもないのに、すごく惹きつけるものがありますね。

胃が痛くなるほどの緊迫感はかなり薄めでした。<以下ネタバレ>謎のワインボトル、どうしてこんなまどろっこしい所に謎を隠す・・・。最後に二人がのうのうと逃げおおせるのも「え?いいの?」って感じ。
この映画のあとあたりからかな、イヤラしい、胃がキリキリ痛むヒッチコック節が始まるのは。

この映画で一番どきっとしたのは、セバスチャンの仲間の悪い男たちがアリシアに入れ替わり立ち替わり、見事に腹黒そうな悪い目つきで挨拶する場面。怖かった。セバスチャンはそれほど黒くなさそうだけど、セバスチャンの母も怖い。サイコみたい!
あと、セバスチャンが妻の正体に気づく場面も、「悪人が、どうってことないと思っていた人から裏切られたショックの表情」の中では史上最高くらいだったと思います。

でもやっぱりあんまり怖くなかったな。。。