映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

レオ・マッケリー監督「新婚道中記」1756本目

なんと1937年の作品。全然古くない!女性の眉が三日月型で、みんな変なガウン着てるけど、脚本の面白さや人物たちの存在感が際立ってて、全く違和感なく楽しめました。
ただ、邦題が古い!(笑)「社長シリーズ」みたいだよね。そういう映画と同時期、1960年頃に日本で公開されたのかな?と思ったら、「日本未公開」ですって。誰がいつ頃この邦題をつけたのか知りたい。

ケーリー・グラントって、イケメンだけど二枚目半ってところが、今ならジョージ・クルーニー
この映画の撮影時は33歳か。今の33歳はまだ「男の子」って感じの人が多いことを考えると、そうとう老けてる、いやダンディすぎます。相手役のアイリーン・ダンという女優さんは、明るくて頭の回転が早くてチャーミングですね。(そんな女性でもこの当時は、アイダホとオクラホマの区別がつかなかったのか、ギャグだとは思うけど?)

全体的には、二人の情熱的なうっかりカップルが、周囲のあらゆる人たちを巻き込んで大おとぼけ合戦を繰り広げるというお笑い映画(と言っても過言ではあるまい)。お互いの新しい恋人もどきの前で対戦?するのは、本当に”大おとぼけ合戦”。美男美女が余興でコミカルな演技をしてるって感じじゃないです。サタデー・ナイト・ライブの、お笑いが本業の人たちみたいに堂に入っています。この映画好きだな。

最後にロッジで二人がよりを戻し始める場面で、からくり時計の両側から出てくる男女のお人形に扮した二人が、最初は元の部屋にくるりと戻り、その次は同じ部屋に戻っていくという、あの小さな仕掛けが可愛くてたまりません。
カワイイといえば、ミスター・スミス(という名前の犬)。実際は「スミシー」と呼ばれてましたね。「スミスちゃん」ってとこかな?なんて芸達者なんでしょう。「ニューヨーク眺めのいい部屋売ります」でも似たような犬を見た気がする・・・「希望のかなた」でも・・・。それでもこの映画のスミシーの芸達者は際立っています。撮影技術が一番古かったはずなのに!

あともう一つ。ジュージュツを操る日本人??使用人が登場するんだけど、これは私のお気に入りの「ミスター・モト」シリーズの影響じゃないかしらん?ちょうど同じ時代だし。(アメリカ人が当時想像してた日本人というイメージの名探偵。ロシア人が南国の猿を想像してチェブラーシカを生み出したように、実態とのかけ離れっぷりが最高にエキゾチック)

うがった映画好きの私としては、バーの歌手(ジョイス・コンプトンっていうのね、可愛い)と石油王が、同じ方面の出身ということで仲良くなって「実は私たちも結婚するの」って終わってもらってもハッピーだなと思ってました。そういう、結末を想像ばかりする映画の見方をしない人間になりたい・・・。