映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ギレルモ・デル・トロ 監督「シェイプ・オブ・ウォーター」1746本目

最近すっかり、劇場に新作を見にいく人になっている。
よかったなぁ、この映画。
普通にラブストーリー?なんだけどね。サリー・ホーキンスって女性エディ・レッドメインって感じがする(それを言うならギレルモ・デル・トロ監督はちょっと丸くなったケント・デリカットみたいだ、関係ないか)。器用で美人の役だってできると思うけど、そうでない人の代表として輝いてくれました。
美しさは心の中にある。彼女の地味だけどきちんとした身なりや生活のしかたはキレイだし、彼に恋する気持ちは乙女だ。こういう心根の人でないと、こんなに美しい恋愛はできない。私みたいに映画ばっかり見て、この映画でもストリックランド(マイケル・シャノン)の指が最後にくっついて「おおお!」ってなるんじゃないか、などとうがった見方をしてしまう女性と違って、彼女は純粋で美しい。
パンズ・ラビリンス」も胸にグッと来たけど、ずっとシンプルなこの映画でも、わかりやすいから魅力が減じられるわけではないです。
結構いっぱいになった劇場の周りの席の人たちと一緒に、エンドロールで涙をぬぐいながら、劇場で見るのってこういうのがいいなぁと思った池袋の夜なのでした。

オクタヴィア・スペンサーは「ドリーム」で見たばかりなのですぐわかったけど、半魚人の佇まいというか目鼻の位置関係がパンに似てると思ったらやっぱり同じ人だった!なんて素敵な異形の俳優でしょう。