映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アッバス・キアロスタミ 監督「オリーブの林をぬけて」1727本目

先日初めてこの監督の映画を見たのが「桜桃の味」だったので、民話的な深い世界を期待して見たら、民話的なテーマかもしれないけど、この映画はとっても日常的でコミカルな映画でした。

何より、イランの人たちの普段の生活や結婚観というものが垣間見られて楽しい。
(何も知らない国の作品って、どうしてもそういう映画の出来以外の部分に目がいってしまう)

なるべく学があってお金持ちの家に娘を嫁にやりたい祖母。
字が読めないけれど考えがしっかりした若者が、映画の撮影のなかで、熱心に読書をする彼女を見初めて、熱烈に求婚するんだけど、祖母の反対は強硬。監督はなんとかその恋を成就させようと、何かと手助けをする。

この若者が「自分は学がないから、字が読める彼女と結婚しなければ、子供の宿題を見てあげられない。金持ちどうし、字が読めないものどうし、ではなく違うものどうしの結婚の方が世の中のためだ」というのが、なかなか理屈が通ってる。通ってるけど、この時のイランでも、現代の日本でも、同じように難しい気がしてなんだかおかしい。

彼の思いは届いたのかな。彼女もまんざらではないみたいだったけど。
ラストの場面でその結果を示唆しているのかな。(VHSしかなくて、コンバーターを使ってデジタルテレビで見ても画質が悪くて機微がなかなか読み取れない、、、)

イランって今はなかなか行きづらい国になっているようだけど、一度この風景の中で一緒に彼らとお茶でも飲めたらなぁ。