フレドリック・トール・フリドリクソン 監督「コールド・フィーバー」2029本目

アイスランドと日本の伝統文化の中にある、弔いのしかたや霊魂の存在の共通点に、監督が興味を持って作ったという、ほぼ純粋なアイスランド映画だそうです。地質調査で滞在中の日本人研究者たちが、真夏に増水した川を車で渡り損なった事件をヒントにしたとのこと。なのになぜ、この映画の舞台は真冬・・・

この映画、撮影辛かっただろうな・・・。アイスランド行きたい!って思ってた気持ちが少し萎える。寒そうすぎる。氷の国か。カムチャッカ半島よりずっと北だ。永瀬正敏演じる平田は、行く時期を間違えてる。ハワイ行きたいと思いながら厳寒期のアイスランドに丸腰で行くやつがあるか。第一なんでプライベートの旅行なのにスーツ着てるんだ。

死生観って一人一人違うと思うんだけど、最近は私は死を恐れなくなったからか、お葬式という場に明るい光が満ちてることが多いのに気づいた。死んでる人はみんな静かで優しい。(生きてる人のほうが怖いよ)

平田は、現地の親切な人たちに助けられながら、両親が亡くなった川にたどり着いて、ロウソクと線香とお酒を捧げる。(日本人夫婦が亡くなる事件なんてそうそうある国じゃないのに、助ける人たちが誰もその7年前の事件を覚えてないのは不思議)

霊魂の存在は、語り合うだけで、CGの幽霊など出てこないのが良かった。車がスタックしときにパワーを与えに来てくれたのは、霊魂というより何かもっと強い精霊みたいな存在では?フツーの若いサラリーマンが会社からも東京からも遥か遠く離れて、これだけ苦労してやっと両親が亡くなった場所にたどりついたら、その安堵感や達成感は大きいだろうし、その場所で過ごして亡くなった彼らの気持ちに寄り添う気持ちになるのは自然だと思う。

温暖な日本からやって来て、これだけ何度も遭難寸前のところまで行っておきながら、必ず思いもよらない人たちに助けてもらって、無事目的地にたどり着けただけでも、何か自分より大きなものの存在の「思し召し」を感じていい。もしかして、平田が出会った人はみんな精霊だったのかも?などと思いながら余韻を味わうのが一番楽しいのかも。