映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ブライアン・デ・パルマ 監督「カリートの道」2024本目

ブライアン・デ・パルマ監督って好きなんだけど、実はあんまり映画見てない。好きなのは「ファントム・オブ・パラダイス」だけかも? 

えっショーン・ペン!この赤毛のカーリーヘアの弁護士が?でも若干弱腰のユダヤ人弁護士に、確かに見える。ユダヤ人っぽさって私には言い表せないけど、彼独特のうまさがありますね。面白い俳優だなぁ。ただ、助演だから意図的なのかもしれないけど、もう少し人間的な魅力が感じられる人物に仕上がってたら、この映画はもう少しグッとくるものになってたんじゃないだろうか?監督自身がこの脚本の映画化を当初は渋ったらしく、監督本人が期待してなかったから力がこもってない・・・という風にも思えてしまいます。

アル・パチーノ演じるカリートが恋するゲイルはペネロープ・アン・ミラー。「事件」の頃の大竹しのぶみたいに可愛らしく、かつ意外と神経が太そうな女性です。この映画でギャングにつるむ女性はみんな、性的魅力を見せつけることしか興味がないみたいな感じだけど、ゲイルだけはあまり女っぽくなくてほっとする。

チンピラのラリーン役のヴィゴ・モーテンセン、英語が変で品がない役なんてのもできるんだ、この人・・・。というか「ロード・オブ・ザ・リング」の前はこんな役ばっかりだなぁ。

マフィア映画も、たくさん見てると何となく飽きてくるな・・・この映画に悪いところはないんだけど。

仲間に裏切られた(ラリーンの盗聴器を見つけたときの反応)と思ったら「He's nobody」っていうのね。私は悪党のひとたちが彼が味方だというときの「He's one of us」っていう表現が好きなんだけど、その逆がこれなんだな。

原作者はプエルトリコ移民で、NYの最高裁判事まで登りつめたエドウィン・トレスという人らしいんだけど、この小説も在職中に書いたんですって。この映画に出てくる判事といえばラリーン(ヴィゴ・モーテンセン)。あんまりクリーンには見えないんだけど、原作者自身もこんな風に司法取引をしてたのかしら・・・。

バハマキューバの首都ハバナではなく、隣の島国だ。この国にパラダイスという名前の島がある。このエンディングは、「チ・ン・ピ・ラ」を思い出すなぁ。(チンピラのほうが先、1984年だ)あの映画は当時見てすごく好きだったけど「名作」かどうかは何ともいえない。この作品も、みょうに甘ったるいエンディングと「You Are So Beautiful」の使い方だけは、センスがちょっと悪すぎるかな・・・。

カリートの道 (字幕版)

カリートの道 (字幕版)