映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

レニー・ハーリン 監督「5デイズ」2013本目

2011年のアメリカの戦争映画で、舞台はグルジア(今のジョージア)の南オセチア地域。ジョージア行きたいんだよね・・・パラジャーノフが好きで旅行を試みたこともあるけど、外務省の渡航危険度3の地域があって会社の総務に諭されてしまい、まだ行けてません。早く行きたい、コーカサス三国ツアー。

さて、そんな「危険度3」の南オセチア地域で起こった紛争について描いたのがこの映画です。アメリカ映画なので基本的にロシアに好意的な結論はないはず。その偏りは意識して見ようと思います。

戦場ジャーナリスト役のルパート・フレンドがジャーナリストには見えないなぁ。思うに戦場ジャーナリストって、強い使命感もあるけど、ある種の極限状態の中毒でもあると思う。それってフリーで活動せざるを得ないという状況にある、日本の戦場ジャーナリストだけかなぁ?ちゃんとしたメディアに守られてるアメリカのジャーナリストはこんな風に普通っぽいんだろうか。(今はITジャーナリストみたいになってる、ニューヨーク・タイムズの元戦場ジャーナリストトーマス・フリードマンは割と強面だと思うが)

攻撃の表現は激しくて、すごい!と思うけど、アメリカや産油国ほどの財力がなければ、これほどふんだんに火薬を使って民家を大爆発させる必要があると思えない。怪獣映画みたいに盛ってるんじゃないか?それに、現地の多数の人たちは「可哀想」以上の個性が描かれず、アメリカ人ジャーナリストの二人+英語が話せる可愛い現地の子だけが、逡巡したりドキドキしたり勇敢だったりする生きた人間として描かれてることが、なんとも。

ときどき一般市民を助ける少年兵のルックスが、色白でそばかすだらけで赤毛の、欧米少年みたいなのも、無言の偏見があるようでひっかかるなぁ。こういう場面では現地の平均的な見た目の少年を使ってほしかった。最後に証言者として登場する現地の家族の人たちみたいな感じの。

 全体的にアメリカ製エンタメフィクションの色合いがちょっと濃すぎて、きついことをいうとテレビゲームみたいな映画だなと感じました。

5デイズ (字幕版)

5デイズ (字幕版)