映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ソフィア・コッポラ監督「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」2009本目

ソフィア・コッポラは 親のお膳立てでつまらない映画を作り続けてるのか?彼女は山村紅葉なのか、蜷川実花なのか。お膳立ては相当あったのかもしれないけど、少女のいやらしい妄想をひたすら追求し続ける姿は、まさに蜷川実花だと思う。好き嫌いは別として。

この映画は「白い肌の異常な夜」のリメイクで、原作はトーマス・カリナン、男ですね。「白い肌」で私は”女癖が悪くて不誠実なイケメン男”について書いたくらいで、あっちは男性目線で描かれていたようですが、こちらは女たち、特に校長(ニコール・キッドマン)の一人称です。荒々しい魅力のコリン・ファレルは女たちにとってまさに「性」そのもので、怖いけどどうしようもなく惹かれる、という感じなのでしょうか。女たちが他の女たちのことを気にしつつ自分だけ綺麗に見せようとしたり、どうしようもなくなったら男だけ排除すればいいと考えて周到に準備を重ねたりするのが、まるで最近の「イヤミス」みたいです。ああ、女の世界。

逆の映画もあったよな・・・。兄弟が同じ女性を好きになって、もめたあげく女を殺して仲直りするやつ。タイトルが思い出せませんが、その映画と「ビガイルド」の違いは、こっちには「ざまあみろ」感が強くあることです。男たちは「とんでもない女にお仕置きをしてやった」、一方で女たちにはもともと、虐げられてきたという意識があるから、これは虐待ではなく報復。正直、私はそういうドロドロしたものを面白いと思わないけど、人間のサガって興味深いなぁとは思います。