映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ナンニ・モレッティ 監督「息子の部屋」2004本目

 

ロバート・レッドフォード「普通の人々」を思い出すな。他にもいくつか、普通に過ごしてた家庭で息子が亡くなる映画を見たことがある気がする。でも比べる気にはならない。ただ一緒に悲しくなって、家族が怒鳴りあったり傷つけあったり、バラバラになったりしないといいなと思いながら見る。家族を亡くしたことのある人には(遅かれ早かれ誰でも経験すること)誰でも、追体験してしまう部分があると思う。

割と、日本のロードムービー的な映画みたいに、普段着のままさらっと流すのが、日本人には馴染みやすい気がする。結論も教訓もないけど、最後にちょっと笑いあえる、というのが。

ずっと流れる英語の切ない感じの歌はブライアン・イーノなのか?そう言われてみると、環境音楽っぽい感じもする。これが映画のムードを決めてる。優しく悲しく懐かしい気持ちになっていい時間なんだよ、と誘いかけてくる。後ろ向きと誤解されることをおそれずに書くと、私は死んでしまった人たちのことを暖かく、懐かしく、思い出すのが好きなんだと思う。

そういえば、冒頭に出てくる「ハレ・クリシュナ」の人たち、最近世界中どこに行っても見ないな。(何でこの映像を使ったんだろう?)

息子の部屋 [DVD]

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