映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

オットー・プレミンジャー監督「カルメン」1998本目

1954年、主演のハリー・ベラフォンテが「バナナ・ボート」を世界的に大ヒットさせる2年前の作品。

カルメン」を全員黒人の舞台にした「カルメン・ジョーンズ」の映画化だそうです。だけど、音楽は昔ながらのビゼーカルメンのクラシックのままなので、せっかくドラマーやベーシストがいても楽器の音が入っていません。ハリー・ベラフォンテも、クラシックを歌う声質ではないと思ったのか、クラシカルなシンガーが吹き替えてるみたいです。なぜ?黒人ミュージシャンを集めてミュージカル映画を作るということは、製作者の意図として、彼らの素敵な歌声は欠かせないアイテムのはず・・・色々ググったら、ビゼー側がクラシックからの逸脱を許容しなかったと書いてあるサイトもあったけど、映画の前に黒人ミュージシャンたちによる舞台があったことを考えると、やっぱり不思議です。

カルメンって無知で何も知らなかったんだけど、こんな悪い女の不幸な物語だったんですね。演じるドロシー・ダンドリッジって、名前聞いたことあるなぁ・・・。YouTubeで歌声を聞いたら、澄んで素直です。でもこの映画の彼女は、ちょっと荒んでる感じ。苦労したのかな・・・。ちょっと神経質そうに、顔の左右を非対称にして笑う感じが、繊細な印象です。

最初と最後に出てくる赤いバラのセンスのいいイラストに、プレミンジャー監督らしさをちょっぴり見た気がします。が、言いたいことは一つだけ・・・オリジナル音声版を聴いてみたかったです!